タコの卵

どこまで我慢するのが身近な恐怖なのか

ゲームセンターに朝から夜までいるのが普通だった時代

中学生の時にゲーセンに登場したガントレット・レジェンド(以下ガントレット)に度肝を抜かれた。

ホームゲーセンのゲームインナハⅡ(以下インツー)に最大の筐体に最大4人プレイでゲームできる凄いゲームが現れたのだ。

 

当時インツーのアクションゲームで流行っていたのは、ダンジョンズアンドドラゴンズシャドーオーバーミスタラで、所謂ジャーレッド裏ワザで楽しんでいる人が多かった。ワンプレイ50円で長時間遊べる環境は子供に嬉しい。凄く嬉しい。

 

だってインツーにゲームしに行くときもっているお金はだいたい500円以内だ。多い時は1000円。1000以上持っていると超絶お金持ちな感じがして凄い楽しかった。
もちろん昼飯なんて買わない。全部ゲーム。休みの日は朝から起きてゲーセンに行くので耐久度が求められるのだ。今思えば相当にタフだった時代。

例えばポケットに300円あるとゲームの選択肢が狭まってくる。

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1、対戦格闘ゲーム

大人になった今なら対戦格闘ゲームを朝からガンガンできるが、300円ぐらいしかないので一瞬で溶けてなくなる。30分も持たない。もちろん勝てばいいのだが、小中学生に対して大人は圧倒的に強かった。当時はやっていたKOFシリーズは中々良い勝負したり結構連勝したりするけど、それもこれも

対戦相手がいたらの話だ。

格闘ゲームが流行る時間帯ってのは決まっていて、夕方から夜が盛り上がる。
なので朝から格闘ゲームの選択肢はなかった。これはホームゲーセンによって違うかもしれないけどね。

 

2、シューティングゲーム

思うんだけど、僕が体験した中でゲームセンターでシューティングゲームが流行ったのはこの時期じゃないかと思っている。インベーダーとかグラディウスは世代じゃないからね。
なんといってもラインナップが強烈過ぎた。

 

怒首領蜂
エスプレイド
バトルガレッガ

 

今でも人気シリーズ化している作品ばかりだ。

特に怒首領蜂は中高生を熱狂させた。あの避ける隙間もない弾幕を掻い潜る快感っていったら未だに考えられない。しかも最終面まで行けるだけで仲間内ではヒーローだ。
そして訪れる2周目の緋蜂。
あのフグ刺しと呼ばれる意味がわからない弾幕を避けるゲーマーにギャラリーが群がる!僕も興奮して見守る。
そして撃破!みんなも喜ぶ。あの瞬間インツーは一つになったと言っても過言じゃない。良いのみたなぁ…興奮と感動と、そして何時か僕もあのステージまで!と思ったものだ。
だって塾サボったり、学校終わったら速攻でインツー行って怒首領蜂連打してたからね。それぐらいドハマリしていた。

 

しかし!!!

 

それでもプレイ時間は短い。特に集中力をすっごい使うので非常に疲れる。そしてすぐ死ぬ可能性も十二分にあるので、少ない資金力で楽しむには難しい種類のゲームだ。

 

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3、アクションゲーム

もうこれしか残ってない。やはり50円で長時間できるゲームといえばアクションゲームだ。クリアーまで1時間を超える可能性も余裕で出てくる。
特にゲーム性も面白く裏ワザで簡単にクリアーできるダンジョンズアンドドラゴンズは非常に人気だった。僕自身もドハマリ。
ゲームに慣れるとジャーレッドを使わないでもクリアーできるようになって嬉しかった。ゲーセン仲間内でもみんなで喜んだものだ。

当時のアクションゲーム界に鳴り物入りで登場したのが

ガントレットレジェンドだった。

 

大型筐体

インツーは立ってやる大型筐体があって、ダンジョンズアンドドラゴンズやファイナルファイト、マッスルボマー、エイリアンVSプレデター等々が入ってた。アクションゲーム枠だ。二人以上でできる大型筐体なので非常に嬉しい形だった。

 

ガントレットレジェンド

1998年に登場したシリーズである。この当時からアタリゲームズの資産を保有しているミッドウェイゲームズが開発、発売された。内容は一新され、全てポリゴンになっており、マップがやや立体的になった。レベルアップの概念が存在し、よりアクションRPGに近いシステムになった。洞窟や城など様々な世界(ステージ)を冒険しつつ、最終的には悪魔スコーンを倒すのが目的。敵キャラクターの種類も大幅に増え、各世界の最後のレベルにはボスが登場し、全ての世界のボスを倒すことでスコーンのいる最終ステージへと行くことができる。各世界のレベルはボスレベルも含め何度でも行くことが可能になっている。最終ボスであるスコーンを倒せばエンディング。国内ではSNKが販売。2000年にはエポック社よりNINTENDO64版が発売されている。

ハードディスクを筐体に内蔵しているため、自分のイニシャルとパスワードを記録しておけば経験値として保存できた。ただし、その店舗でしか記録できない。

Wikipediaより引用

何が凄かったって

自分のイニシャルとパスワードを記録しておけば経験値として保存できた。

ここよ!!!!
当時は衝撃受けました。ウォーザードには内緒だ。

 

画面はポリゴンで3D。360度好きな所に移動できるのも魅力。職業も多数いて、何もかもが新鮮だった。音量も半端無くインツー内に響き渡る程。中学生にハマるなってのが無理がある。ゲーセンに設置されてからドハマリするのも時間の問題だった。

 

ゲームシステムがまた面白かった。レベルアップもあるが、獲得したゴールドでキャラクターが強くなっていくのだ。まるで家庭用のRPGゲームみたいに。
でも、当時の家庭用ゲーム…はっきりいってしょぼい。ゲーセンのゲームが最新最強の環境だった。その最新最強アクションRPGやらない奴いないでしょ。

 

もちろん初めはガンガン死ぬけど、上手い人のプレイを見て学び、参考にしたりゲーメストに攻略記事が書かれていれば死ぬほど読み倒した。

少ないお金を新作ゲームに使うって意味は、すぐお金が無くなってもかまわないって意味だ。

少ないプレイ回数で少しでも腕を上達させるには本当に集中してプレイしなければならないし、何より上手い人。上級者の存在が1番大切だった。

上手い人のプレイをず~っとガン見。午前中にお金は無くなってる。そっから午後はガントレットレの前に張り付きまくってプレイを見まくる。そして門限の時間までインツーでゲームもやらずに過ごすのだ。ネットがない時代はゲーセンこそがリアルで全て。
今考えれば相当アホだけど、当時はそれだけで楽しかった。ゲームセンターにいる時間が大好きだ。

 

勉強の日々が何日か続くと僕の手にはガントレットが握られていた…成った。

 

実りの時

待ちに待った日曜日。朝速攻起きてジャージに着替えインツーにダッシュする。
最寄りのスーパーで食パン1.5リットルのミルクティーを購入。

 

そしてインツー開店と同時にガントレットレジェンドに走る。

パンとミルクティーを置いて…いざ50円を投入。店内に響き渡る音声。一番乗りの気持ちよさは何事にも代えがたい。パスワードを入力してステージを選ぶ。いつもの城ステージだ。

 

もう僕はガントレットレジェンドになっていたのだ。

城ステージを悠々とクリアーする。そしてもう一回城ステージ。そしてまた城ステージ。何回もクリアーして資金と体力を倍々に増やしていく。ちょっと飽きが来たら火山。ピラミッドステージをうろつく。そしてまた城ステージ。

なんと、ガントレットレジェンドはプレイヤーが望むなら文字通り

永遠に遊べる事ができてしまうのだ!!!!

お昼時になったので食パンを食べながらミルクティーで流す。美味しい。腹も膨れる組み合わせだ。お昼時間を過ぎたらゲーセン仲間も現れる。

 

「おぉ~~!てっちゃんガントレット極めたなぁ~!」
「何時からいるの?www」

 

いつもの会話も気持ちがいい。僕もゲーセン上級プレイヤーになれたって感じがした。後ろではキカイオーで連勝している友人とたまにちょっとした話をしながらゲームしたりも。

 

夕方になってもガントレットを只管プレイ。エンディングは2回見ている。それでも全然飽きないし、ずっとゲームがしたい。ずっと。ずっとゲーセンでゲームがしたい。

6時を過ぎると門限を意識しないと行けない時間帯になってくる。
そろそろ帰るか…凄く帰りたくないな。それでも帰らないと怒られるし…。

なくなくキャラクターを自滅させ家に帰ることにした。

 

時間にして9時から7時までゲーセンで同じゲームをしていた事になる。

50円で

ゲーセンからしたらたまったもんじゃないだろうが、ゲーム好きな中学生にゲーセン台所事情は知らない。

 

ただ、ひたすら ゲーセンでゲームがしたいだけなのだ。

高校生になるとKOF9899が全盛期に盛り上がっていく。アクションゲームもバトルサーキット、音ゲーもパカパカパッションダンスダンスレボリューション。

刺激的な新作がいっぱいでて、しだいにガントレットレジェンドもヒッソリと隅の方に移動していった。そして2000年台に突入するとガントレットレジェンドは稼働すらなくなっていた。

 

まだパスワードは覚えている。
インツーにまだ基盤はあるのだろうか?もしあるなら稼働する機会等はあるのだろうか?

もし…ガントレットレジェンドが再びプレイできる事があるのなら、


僕は食パンとミルクティーを買って朝からインツーでプレイしてみたい。大人になった今でも心はゲーセンに置いているのだから。

 

 

tettyagi.hatenablog.com

 

 

 

 

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★アマゾンプロダクツ 遊びのラジオ★ : 第379回 さよならゲーセン前編

★アマゾンプロダクツ 遊びのラジオ★ : 第380回 さよならゲーセン後編