去年の12月から読書をしようと思ったので始まった世界の名著読み。
普段全然読書しない僕がいきなり分厚い叢書読みにチャレンジするのは無謀にも思うが、読んでみなければ始まらない!って事で図書館で早速借りて読んでみた。
全81巻の長い名著マラソンが始まった!
目次
バラモン教典
いきなり凄い。
バラモン教(バラモンきょう、婆羅門教、ブラフマン教、Brahmanism)は、近代のイギリス人がバラモン中心の宗教を呼ぶために作った造語である。実質的にヴェーダに説かれる祭祀を行う人々の宗教を指す意味で使われることが多い。
紀元前のインドで生まれた宗教がバラモン教。のちの仏教やヒンドゥー経に繋がる。
めちゃくちゃ古くて紀元前10世紀とかにできたとか。
なのに書いてあることが今でも伝わってて純粋に凄い。ナーム。
世界の名著1はバラモン経典と原始仏典を紹介している。
どちらも最初に作者の解説があるが、その解説が新書ぐらいのボリュームあるので読むのに凄い時間かかる。しかも二段組。さすが叢書っていう名前に負けてないぜ。
かなりハードだったけどとりあえず読んだので感想を書いてみる。
「ウパニシャッド」
バラモン教の聖典ヴェーダに収められている話。
まず、開幕
全然意味わからん!
凄い意味わからん。マジで。
ヤージニャヴァルキャっていう人と他のバラモンが知恵比べみたいなとんち合戦するんだけど難しすぎて頭抱える。普段本読まないツケが早速効いてきている。
何とか頑張って読むとだいたい言ってることがちょっとわかってきた。
ヤージニャヴァルキャが言うには欲望から離れて解き放たれて。解脱こそが真理やで?
って言ってると思う。
解脱って聞くと凄く危ないイメージが浮かぶのは僕だけじゃないはずだ。
少し前のオウム真理教やシャクティパット!とか言うおっさんで損なイメージがある解脱。しかし、解脱って言葉もこんな昔から来てると思うと感慨深いものがある。
この世のしがらみは業よ。業を捨てて解脱しよう!
って言ってると思ったな。たぶん。相当違う可能性あるけど何しろ一回読んだだけでわかるわけない。だから今はこれで良いと思う。
アートマンとブラフマン
そして世界の名著1で一番出てくる言葉が「アートマン」と「ブラフマン」だ。
アートマン??芸術家?ブラフマン?バンド?
って思うよね!!
読んでいくとわかったんだけど、
全然わからない事がわかった。
読んでて気絶しそうになるぐらい意味わからん。マジで。
アートマン何者よ。ブラフマンってなに!?
とにかくわかる事は
業とか全部捨てて極めまくった人がアートマンになる模様。人の最終段階がアートマン。なるほど。バラモン教が目指すのはアートマンなのね。
しかし、アートマンってのが結局何か全然わからん。
そしてブラフマンはもっと謎。
人間が死んだら道が二種類あって、魂が月に行くんだけど
アートマンはゴールだから月に行ってブラフマンになる
アートマン以外はもう一回地球に帰って生まれ変わってね
みたいな事が書いてた。
こ、これが輪廻!!!!だよね??たぶん、輪廻って概念の元だと思う。
あとアートマンは「非ず、非ず」って説明されるけどこっちが非ずって感じ!アートマンはわかるとアートマンになれるんだろうな。きっと。だからわからないのが正解。
あと、よくオームって言うみたい。呪文なのかわからんけどオームって言うのが決まりよ。
さすが奥義書って言われるだけある。奥義すぎて2ミリぐらいしかわからなかった。
「バガヴァッド・ギーター」
内乱で二つにわかれて戦争するんだけど、片方の王子が相手の軍に肉親やお世話になった人がいるから戦いたくない……超憂鬱なんだけど、戦争とかいやや。って言ってると隣にいるお供が実は神の使いみたいなやつで
王子、辛いけどやらんといけんで?お前の使命やん。
せやな
って覚悟決めて戦争して勝利する話。
ちょっと酷いと思ってしまった。相手皆殺しにするのに何の疑問があるの?王子の義務よ?それ?みたいに言う神コワすぎ。
暴力の人類史にも上記の話は出てくる。
とにかく説教。永遠に説教される王子。
めちゃくちゃ哲学的に説教する神の使い。王子は相当言いくるめられたと思う。
ストーリーかとおもいきや凄く哲学するので非常に頭が痛かった。
難しすぎぃ!!
「古典サーンキヤ体系概説」
タイトルで嫌な予感しかしない。
体系とかヤバイでしょ。
サーンキヤ学派って言う一派がまとめた哲学書??みたいなもの。
これが最強に難しい。とにかく理解できない。クイズ番組絶対NGレベルの難問。
サーンキヤ学派達も解脱がテーマなんだけど、神とか神話とか全然使わないで、いかに現実的な方法で解脱するかを考えているみたい。そのためには知識が必要とかこの世は純質とか五元素とか行為器官とか……ありとあらゆる事を考えてリアルに解脱しようぜ!!
って言ってると思いたい。正直読むだけで解脱しそうだった。
何か嫌なことがある人は読んでみるといい。嫌なことなんかサーンキヤ学派の前では霧散してしまうぞ。
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「ヨーガ根本聖典」
ヨガ!!
ヨガ健康法とかで馴染みが深いヨガ。日本でもヨガと言ったら
・健康
・スタイル良い
・ダルシム
・インド人を右に
スラスラでるぐらい浸透している。
昔の健康法かな?って読んでると本来のヨーガとは全くかけ離れたものだとわかった。
本当のヨーガとは
びっぐりするぐらい解脱するたった1つの方法
ブログのタイトル分みたいな感じだった。
ヨーガは解脱する方法をわかりやすく書いていた。解脱するにはヨーガええで?おすすめだよ!みたいな。
解脱するには欲望とか業から離れないといけないから、精神集中して落ち着こう。そしてハードな修行しよう。座禅組んだり、禁欲したり、あれこれ等々……。
かなり本格的に解脱チャレンジに向けた解説書みたいな感じだった。
「古典サーンキヤ体系概説」が頭でっかちのインテリが書いた超絶難しい本なら「ヨーガ根本聖典」はわかりやすくして具体的に説明してる感じだ。
初心者にはオススメかもしれない。何の初心者かわかんが。
「不二一元論」
インドの「一元論哲学」を読む―シャンカラ『ウパデーシャサーハスリー』散文篇 (シリーズ・インド哲学への招待)
- 作者: 宮元啓一
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2008/03/01
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サーンキヤ学派と仲悪そうなヴェーダーンタ学派が書いたアートマン・ブラフマンオンリー本。
サーンキヤ学派は勘違いしてる。煩悩とか欲望とかを取り払って解脱するとかちゃうねん。世界の理を理解しないと。アートマンとブラフマンは表裏一体なんだよ。それを理解することが、究極の悟り……不二一元論なんだよね!
みたいな事を超難しくわがままに書いてある。
世界の名著を読んでいくと結構対立煽りがあって笑う。やっぱりこっちの考えが正しい!お前らはバカ!みたいな書き方多い。
なお、まったく究極の悟りは得られませんでした。
「最高神とその様態」
タイトルがかっこ良すぎる。
ヴェーダーンタ学派の人が「不二一元論」の後に書いてるんだけど、要約すると
まだ甘い。アートマンとブラフマンが一緒ってわかっただけじゃ解脱は当分むり。
本当の解脱とは神の元に帰ろうって事。
ブラフマン=神
だから、神の元に 帰る=一心同体 ブラフマンになる。だから解脱。
これが流行りの解脱方法!簡単だぞ!
なるほど。わからん。
思うんだけど、書いてる人達本当に解脱したんか???
解脱しそう
ならまだ理解できるけど、解脱方法いっぱい書いてるけど……解脱したら本とか書かなそうだし怪しい感じはする。
そして今回も哲学的なので3ミリぐらいしかわからず。とにかく難しいのが世界の名著の特徴だ。
「バーガヴァタ・ブラーナ」
超絶モテる神様が村の女性を一人残らずかき集めてキャッキャウフフする話。
ガチで。
本当にそれだけだった。
超モテる神様が気まぐれでみんなの前からいなくなったら、女性たちが超モテる神様の真似して遊んだりして狂気を感じる。
旦那や子供なんかどうなってもいい!!みたいな感じで怖い。
最後はお母さんたち家に帰ってホッとする。
「論証学入門」
サーンキヤ学派もヴェーダーンタ学派も間違ってますよ。
我らニヤーヤ学派が解脱の本当の方法教えます。
いい加減にして!!!!
みんなで一緒に解脱して欲しい。学派の人達挑発と争い好き過ぎ!全然欲まみれじゃん!
業深すぎぃ!
ニヤーヤ学派の対立煽りの上手さたるや。その方面のアートマンになれそう。
何言ってるかはちんぷんかんぷん。ヨーガが最強にわかりやすいぞ?
学派のみなさんは争いの業をそぎ落として欲しい。絶対にこの人達解脱できないような気がする。
「ジャイナ教綱要」
まさかこの男が来てくれるとは!!!六師外道が一人!
マハーヴィーラが来てくれたー!
ここでバラモン教からちょっと離れてジャイナ教を学ぶのが世界の名著。
まず、六師外道。この呼名が凄くカッコイイ。
六師外道ってのは、仏教以外の大物思想家。6人いたから六師外道。
六師外道のメンバーは
・アジタ・ケーサカンバリン(Ajita Kesakambalin 阿耆多翅舎欽婆羅) - 順世派および後世のチャールヴァーカ(Carvaka)の祖。唯物論者で、人間は地・水・火・風の4元素から成ると考えた。
・パクダ・カッチャーヤナ(Pakudha Kaccayana 迦羅鳩駄迦旃延) - 七要素説(地・水・火・風・苦・楽および命)。
・プーラナ・カッサパ(Purana Kassapa 不蘭那(不蘭)迦葉)) - 道徳否定論者。悪業というものもなければ、悪業の果報もない。善業というものもなければ、善業の果報もないという考え。
・マッカリ・ゴーサーラ(Makkhali Gosala 末迦梨瞿舎利) - 裸形托鉢教団アージーヴィカ教(邪命外道)の祖。決定論者。
・サンジャヤ・ベーラッティプッタ(Sanjaya Belatthiputta 刪闍耶毘羅胝子) - 懐疑論者
・マハーヴィーラ(ニガンタ・ナータプッタ Nigantha Nataputta 尼乾陀若提子、本名ヴァルダマーナ) - ジャイナ教の開祖。相対論者。
みんな凄い強そう。
ジャイナ教に話を戻そう。
ジャイナ教はとにかく不殺!!アヒンサーが骨子となっている。
本を読んだ限りだと
・絶対に生き物殺したらだめ
・絶対に暴力だめ
・超苦行の修行がある
・一生全裸
一生全裸
凄い宗教だ。
何もかもが超越している。解脱とか云々じゃない。全裸だ。全裸が基本。
全裸で有りも殺さぬように歩かないと行けない。
しかしジャイナ教は読む限りかなり良い事言ってる。とても良い。
バラモン教の人達はジャイナ教とか異教徒!!ってしてるけど、それこそが解脱できてない証拠だな。
全裸になって過ごそう。
ジャイナ教はかなり厳しい宗教だ。
性的な事は一切駄目だし、飢え死にしそうな時も生物を殺して食べたらだめ。むしろ餓死しろ!服も着ちゃダメ!!
ハードな宗教がジャイナ教。教えを守れば解脱できるとの事。今でもインドでは一大宗教の1つなので人気度が伺える。
まとめ
人間の根源。到達するべきゴール。その方法を書いているのがバラモン教典だ。
日本のお寺でよく見る仏像は全てバラモン教の神様が元になっている。
つまり、全ての原点がバラモン教。その教えを知ることができるのが世界の名著1巻だ。
二段組で注釈が沢山あって読むのに凄い時間かかるけど、一冊を読み終えると
なるほど……わからん。
これが素直な感想だ。一回読んだだけでわかるわけがない。
人間のゴールを目指す本なので理解した瞬間僕はアートマンになってしまう。
しかし、知ることが出来たのはありがたい。
無知を取り除くのがアートマンの第一歩とかサーンキヤ学派も言ってたしね!
世界の謎が少しわかるかもしれない本だぞ!
後半は原始仏典に続く。