タコの卵

どこまで我慢するのが身近な恐怖なのか

減らないワカメご飯

とにかくお腹が空くとご飯を食べたくなる脳の発火現象に逆らえない世界観で生きている。

だから食べれる。予算内。できるだけ美味しい。欲を言えば満腹に近い食事を求めてさまよっているが全然見つからない。

 

赤とんぼ

 

に行きたい。赤とんぼで沖縄名物タコライス大盛りを食べたい。

その思いだけでグニャグニャした見たこともない道を歩いて進む。

何故か方向はわかっていて足が進むが、周りは見たこともない建物やオレンジ色のミサンガが電信柱にめちゃくちゃ巻かれている。怖い。

道端ではボディクリームを地面に塗る男も。いい匂いする地面を目指しているが、なかなか難しいらしい。頑張ってくれと檄を飛ばし後にする。

怖かった。その男はボディクリームと言っているがどう考えてもシェービングクリームなのだ。おそらく地面を剃る事といい匂いさせる事が混同して自分でもわけわかってないと思う。

 

赤とんぼの看板が見えてきた。

色黒い逞しい若者が

「タコライスー!!タコライスーっー!!」

と景気よく客引きしている。よく見るとハイサイ探偵団のバンバン氏だ。

彼は元気よくタコライスを販売している。

 

タコライスを注文する。

「もうタコライスラストです!ギリギリです!」

ラストタコライス!!!ファイナルタコ!

ラッキーだ。ギリギリタコライスに間に合った。

 

 

何故か奥から

「これしか…ないからこれ作りました」

手渡されたのは

ワカメご飯だった。

 

しかも超絶圧縮されたワカメご飯。タコライスの容器にギチギチみちみちにワカメご飯を敷き詰めている。手荷物と半端じゃない重さだ。ここまでワカメご飯を圧縮できるものなのか。解凍するとおにぎり10個分ぐらいになりそうだ。

 

よくよく見るとワカメご飯の上に軽くカレーが乗っている。

そのカレーの上に大きめのカツが。

 

いったいこれはなんなんだ。

ワカメカレーカツ

とでも言うのだろうか。

 

頼んだのはタコライスなんだが、これしかないと言われた。

これしかないって……タコライスにワカメとカレーとカツとか使わないけど。

わけわからないが、タコライスもハッキリ言えばわけわからん食べ物。ここで疑問に思ってもしょうがないからワカメカツカレーを食べる。

 

ギチギチに詰められているせいかスプーンも通りづらい。

味は…ワカメご飯だ。申し訳ない程度のカレールーはいらないまである。

ワカメご飯は嫌いじゃないが、この量のワカメご飯を食べれるのか?と不安になる。

カツは冷めていて全然薄い。お菓子みたいだ。

しかし、このカツが不思議とワカメご飯にあってスプーンが進む。

 

何故かあるきながら食べていると腰の悪い老人が手押し車?みたいなのがあった。

その中にはバスケットボールの形をした骨付きペットボトルがギッシリ入っていた。

 

うわっ!!思わず驚いてしまってワカメカツカレーを急いで食べる。

なぜか骨付きペットボトルを食べながらワカメカツカレーを食べる手が止まらない。

怖い。見たくないのにワカメカツカレーを口いっぱいに。

全然減らない。まったく減らないワカメご飯と骨付きペットボトル。

鈍い自分にもようやくこの状況が飲み込めている。

 

ハメられている。

 

これは絶対にハメられている。

この状況はヤバい。ヤバい状態になってるが目が口が忙しい。

足も固まっている。どうすれば……このままだと恐ろしい何かが起こってしまう予感しかない。

 

ワカメご飯は半分になったがまだ半分だ。骨付きペットボトルとじーっとこちらを見ている。嫌な形だ。骨付きペットボトルをなぜこんなに……。

 

あっ……。そうだったんだ。

わかったとたん足が動いてバスケットボールの形をした骨付きペットボトルにワカメご飯を詰めていった。そうだ!なんで気づかなかったんだ!!!ラストタコライスの意味が!!!!

 

 

 

そこで目が覚めて起きた。

誰かラストタコライスの意味を教えてくれ。