タコの卵

どこまで我慢するのが身近な恐怖なのか

ネタバレあり感想。映画「クリーピー 偽りの隣人」はサイコパスアベンジャーズだった。

映画館の予告で気になっていたが、予告だけでは検討もつかない映画だったので観たいな~と思いつつも観ていない状態だった。

しかし、もてラジで面白そうな感想を聞いたので映画館公開終了前に観たい!気持ちが高まり観に行って来たので感想書きます。

 

 

そしてネタバレありなのでまだ観てない人は注意お願いします。

 

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北九州&釜ヶ崎事件

恐らくクリーピーのモデルは有名な

北九州監禁殺人事件
尼崎事件

 

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―

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家族喰い――尼崎連続変死事件の真相

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上記の事件だろう。気になる人はぐぐって見るか、本を読んで欲しい。映画よりも恐ろしい世界が待っている。

 

「クリーピー 偽りの隣人」の簡単なあらすじ

 

・主人公はサイコパス超大好き刑事

・サイコパスとのやり取りで失態を犯し刑事辞める

・その後は大学で犯罪心理学を教える

・主人公一家引っ越し

・隣人が変人

・大学で気になる未解決事件を見つける

・一家失踪なのに事件?

・唯一失踪しなかった娘とコンタクトとる

・家族は何者かに操られてたと娘は語る

・変な隣人に主人公妻がコンタクト取り始める

・隣人を不審に思う主人公だが、失踪事件優先

・どんどん隣人と仲良くなる妻

・失踪事件は遺体発見で急展開を迎える

・どんどんどんどん隣人と密接な関係になっていく妻

・主人公は流石に隣人は怪しい?と感づく

・一体どうなってしまうのか……

 

だいたいこんな感じ。

もちろん隣人が一家失踪事件の犯人で妻が取り込まれる。主人公が気づいた時には既に遅く、ズブズブの関係に。一方主人公サイドも警察の力を使ってドンドン隣人を調べて行くんだけど、ちょっとマヌケというかアホすぎて隣人に負けまくる。

そこら辺のやり取りや展開は是非とも映画で確認して欲しい。正直イライラさせられた。警察関係者アホすぎ。

 

登場人物全員サイコパス説

この映画の魅力は登場人物に限る。設定は北九州&釜ヶ崎事件で知っているし、漫画「闇金ウシジマくん」「洗脳くん」でも同じ設定が使われた。

詐欺師の男が女性を騙し、そこから家族全体を監禁、洗脳していくストーリーだ。

 

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 そうじゃあない。

今ままでの話だと隣人だけが怪しいサイコパス野郎で終わるんだけど、映画クリーピーではちょっと違う!!

みんなちょっと怪しい。怪しいと言うより怖い。むしろ隣人より主人公の方がよっぽど怖い映画だったのだ!

 

サイコパス大好きサイコパス

主人公の事だ。

サイコパスを研究するのが趣味であり仕事にしている。サイコパスに背中を刺されたのにそれでもサイコパス好きで大学でサイコパス話ばっかりしている。

そして登場人物に「人の気持ちがわからない人!」と連呼される。

実際、映画内の主人公は何処か不気味なのだ。人とのやり取りに透明性があると言うか無関心というか。サイコパス以外興味がない人間とでも言うだろうか。

隣人が事件の犯人とわかりサイコパスだと確信すると異様な執着も見せる。

とにかく不気味だ。実は最後の最後で主人公が黒幕なんじゃ?と思ってしまう魅力があった。凄い良いキャラ。

 

 

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ヤバイ妻

人の気持ちがわからない旦那を持った妻はどんな人だろうか?

もちろん普通じゃあない!

何がヤバイって引越しの挨拶で定番の手土産を渡すんだが

手作りチョコを選択していた。

て、手作りチョコ!?引越しの挨拶手土産ランキングがあったので乗せてみる。

 

<引越しの挨拶で渡した手土産品ランキング>
1位 お菓子 342票
2位 洗剤 163票
3位 タオル 150票
4位 食べ物 22票
5位 ゴミ袋 14票
6位 お茶 13票
7位 ふきん 11票
7位 ラップ 11票
9位 ティッシュ 10票
10位 蕎麦 7票
『引越し挨拶の挨拶品ランキングと購入金額の調査データ』より引用

 1位のお菓子にチョコは当てはまるだろうが、見知らぬ人からの手作りチョコが引っ越し挨拶の手土産ってどうなの!?僕はちょっとギョッとした。なんかこの夫妻……怪しいぞ?と映画観ながら思ったのだ。

チョコなら隣人の言うとおりデパートで買うちょっと良い奴だったりするんじゃないのかな?引っ越し挨拶で手作りチョコはかなり攻めていると見るべきだろう。

 

それだけじゃない。

隣人との最初のやり取りで不快な思いを表現しまくったヤバイ妻。主人公とのやり取りでも「もう相手にしない方がいい」と話し合っていたはずなのに

 

作りすぎたシチューを隣人に良かったらどうぞアタック

 

をしていた。

あんなに変人とか言ってたのに!?何が起こってるの!?いい加減にして!

普通だったらあんな変なお隣さんには近づかない。そしてシチュー余りすぎてどうぞ~なんてしない!!見るからに変人だしやり取りもおかしかったのに!

この奥さん……ヤバイ匂いがする。何処か変だ。

 

なんか不気味な野上刑事

主人公の元同僚で刑事をやっている野上がいる。

一緒に一家失踪事件を調査するのだが、既に佇まいからして不気味なのだ。

喋り方や立ち振舞い……謎の一家失踪事件に見せる執着心。

野上はめちゃくちゃ一家失踪事件に感心がある。

数年前の事件なのに今更なぜ野上はこの事件に執着を見せる!?新の黒幕はこいつか!?なんとなく不気味で信用ならない感が凄い。

主人公と同じぐらい只者ではないオーラを出している。この映画ヤバイ人しかでないの?

 

香川照之の怪演が光る隣人西野

凄かった。本当に怪しくて不気味な隣人を演じていた。

何より台詞が面白い。おもわず仲間内でやり取りしちゃうぐらいだ。

 

「チョコ……嫌いじゃあないですよぉ~」

「えぇ!?犬、しつけるんですか!?……いいと思いますよ~。そう言うの」

「あとでお母さんにも作り方おしえてやろうな。」

 

あと、主人公と話してる最中、電柱のチラシが気になるのか凄い勢いでチラシを引剥してくしゃくしゃにし、ポケットに入れる謎の行動も痺れた。その後チラシを見ながら歩くのも良い。とにかくヤバイ人ってのが伝わる。

あと、寄生する家の位置関係にこだわってるのが謎だった。あの配置じゃないとダメなのか?あの位置関係がもっとベストパワーを出せるのか?サイコパスには特に理由がないことも多いので謎だ。

 

西野家謎のダンジョン

なにあの地下室みたいな作りの家。ダンジョン感が凄い。あの作りは後からリフォームした作りではないだろう。もしリフォームしたのなら香川照之演じる偽西野凄すぎ。

 

何がヤバイって……

 

西野家は元々ヤバかった説が浮上してくるのだ。

 

あの地下牢獄みたいな家を作る西野家。何のために!?あんな頑丈な作りの部屋を作る理由は!?全くもって謎なのだ。西野家最大のタブーと言うべきか。

 

元々ヤバかった西野家にサイコパスが引っ越してきたのかわからない。

 

なんにもわからないが西野家のダンジョンは凄い。あの絶妙な死体放置所の穴とか何がどうなって作ったんだろう。わからん。西野家怖い。

 

サイコパスが避けた少女

一家失踪事件唯一の生き残りの少女早紀。

何故彼女だけが失踪しなかったのか?が事件の鍵を握ると言っても過言じゃない。彼女以外の父、母、兄。全員同時にいなくなったのだ。

なぜ彼女だけが残されたのか?

映画内で家族は同一人物と思われる怪しい人と電話していた。と彼女は主人公に話す。

その怪しい人に家族は操られて失踪したんじゃないのか?と推理が動く。

ここまでは破綻もないストーリー通りだが、なぜ彼女だけ怪しい人に狙われなかったのか?

彼女自身もわからないと言う。当時の記憶が曖昧らしい。

なぜ……その答えはサイコパスが知っている。

 

診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)

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 サイコパスが狙うターゲットはサイコパスが支配できそうな人なのだ。

支配できて操れるからターゲットに近づくのであって、操れない支配されない人は最初からサイコパスは近づかない。彼らは上辺だけの関係を築き上げる天才だ。

彼女はサイコパスに騙されなかった。

つまり彼女はサイコパスより強いorサイコパスに気づいて逃げた可能性がある。

あくまで可能性だが、本当に一家失踪事件の被害者なのだろうか?隣人西野とは関係がないんじゃ?

本当に怖いのはサイコパスが唯一ターゲットにできなかった彼女なんじゃないのか?

彼女が一家失踪させたんじゃ……。

 

マックス

でっかい犬。人懐っこい。

可愛い。無邪気。誰かれ構わず飛びかかる。可愛い。

映画内の良心。みんな死んでもいいからマックスだけは死なないで欲しいと強く願った。

 

まとめ

映画としては北九州&尼崎事件の模倣だが、登場人物が流石に凄くて謎の魅力的な作品になっていると感じた。

あと、みんな何か言われた時に

 

えっ!?

 

って返すの面白すぎる。卑怯だ。

サイコパス密集映画とでも言うのだろうか。サイコパスロワイヤル。サイコパスアベンジャーズ。サイコパスズ。

まだ劇場で公開されているので気になった方は是非とも映画館にGOだ。

 

クリーピー (光文社文庫)

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